オークネットのサービスも活用し
中古車業界のアマゾンを目指す
株式会社はなまる
中古車や事故車、廃車を積極的に買い取り、独自のカーネットオークションで販売するビジネスモデルを展開する株式会社はなまる。
昨今は、そのほかにもさまざまなサービスを展開しています。その先に見据える未来とは?
▼目次
1 . 損害車両の高価買い取りをオリジナル販路で実現
大阪に本社を置き、約25年にわたって自動車の買い取り販売事業を展開している株式会社はなまる。2023年にはサービス名を『ソコカラ』と一新。関西・中部・福岡を中心に、サッカー選手の本田圭佑氏を起用したテレビCMを放映しているので、特に西日本では自動車関連企業だけでなく、一般消費者にも広く認知されています。
ソコカラが同業他社と異なっているのは、どんな状態の車両でも買い取ってくれるという点です。事故車でも、不動車でも、車検が切れていても、10年以上使用した多走行車でも問題なし。査定費用、引き取り費用、廃車手続き費用といった費用も一切不要です。
どうしてそんなことが可能なのか。それは、自動車流通の上流から下流まで、つまり損害車両を含む中古車を手放したいユーザーから、それらに価値を見いだす企業やユーザーまでをワンストップでつなぐビジネスモデルを長年かけて構築してきたからにほかなりません。
「1998年の創業当時の社員数は3名。中古車雑誌などに広告を掲載して一般ユーザーから損害車両を仕入れ、板金業者などに直接販売するというスタイルでした。事業規模が劇的に大きくなったのは、創業から4〜5年経過したタイミングで独自のカーネットオークションを立ち上げた頃からですね」と語るのは、同社販売本部本部長の武内純一氏。
自社で仕入れた車をダイレクトで業販することでコストを大幅に削減。結果、買い取り価格を他社に比べて高く設定できることで一般ユーザーにも認知されるようになり、仕入れと販売のサイクルがうまく循環し始めたといいます。現在の社員数はおよそ480名。オークションでの落札台数も当初は月に40〜50台だったものが、今や月5000台程度にまで大幅に拡大しています。
全国25カ所に自社ヤードを所有しているというのも、流通コストの削減に大きく関与しています。しかも、各ヤードには陸送のためのドライバーまで配置しているというのも驚きです。事故車や不動車は一般的な中古車に比べて扱いが難しいもの。経験の浅いドライバーだと陸送は難しいのですが、ソコカラの専任ドライバーならばその心配は皆無。お客様から預かった大切な車両を、スムーズにヤードまで運び入れます。
2 . 世界を見据えた戦略で 業界最大級のECサイトを構築
「弊社が目指しているのは、自動車にまつわるあらゆるモノやサービスを、世界中のあらゆる人にワンストップで届けられるECサイトの構築です。最終的なゴールは、中古車流通のアマゾンになること」と、未来像を語るのは同社海外販売部係長の山田裕太氏。
そのための一手として、2022年には一般ユーザーに向けた中古車販売業務も開始しています。サービス名は「ソコカラバリュー」。コロナ禍に開始したサービスということもあり、今まではオンライン販売が主流でしたが、やはり現車を見て契約したいというニーズが多いことから、近々実店舗をオープン予定。今後は実店舗数を増やしていく予定だそうです。
また、2024年7月には、自社オークションのシステムも刷新しました。現在、株式会社はなまるでは、年間4万台以上の中古車・事故車が取引される「ソコカラオークション」と、低価格帯の中古車が取引される「ソコカラ リユースオークション」の2つを運営していますが、これを統合。今後は、パーツ販売や輸出代行などもこちらのサイトからアクセスできるようにブラッシュアップさせていく予定だといいます。
こちらのサイトは5言語対応。山田氏の言葉にある通り、国内だけでなく世界中の人にサービスを届けることを見据えています。
「現在、110カ国・地域以上のお客様に弊社のオークションをご利用いただいていますが、今後はこの数を増やしていきたい。そのためには、在庫を常に潤沢にしておく必要があります。そこで、絶対に必要になってくるのがオークネットのサービスなんです。自社仕入れだけでは賄えない部分は、オークネットTVオークションや共有在庫をうまく活用させていただきたいですね」(武内氏)
オークマン2024年8月号掲載記事